|
『冬にチューリップを咲かせよう!』 1 チューリップがちょっとヘンナカンジ ? 春を告げる花、チューリップ!子供から大人まで誰もが一度は育てたことがある花でしょう。 近頃そのチューリップの生育がちょっと変だなと思いませんか? 一昔前まではチューリップは同じ品種であれば開花時期や草丈はほとんど変らず、せいぜい2日間ぐらい開花時期がずれたり、草丈も1~2割程度変化する程度でした。 しかしいつごろからか少しずつ開花が早くなって昨年は1週間ぐらい早くなってしまいました。 また九州で見たチューリップは通常の半分以下の草丈で咲いていました。 どうしてこんなことがおきるのでしょうか? 2 冬がなくなりチューリップが咲かない! 植物は動物と違って動けないのが特徴で、そのため環境の変化に非常に敏感に反応することができます。 例えば特定の季節に開花するために季節の移り変わりを知る仕組みがあるのです。 春に咲く植物は低温や日が長くなることが引き金となり、夏から秋に咲く植物は日が短くなることが引き金となり開花します。 チューリップの場合は温度変化が非常に重要になってきます。 実は夏の時点で球根の内部には小さな花の原基が作られていて、この1ミリ程度の小さな花が大きく開花するためには春の暖かさの前に冬の寒さが必要になのです。 このような仕組みをもつチューリップが昔より早く咲いたり、草丈が短くなったりしたことからつぎのことが考えられます。 ① 冬場の温度上昇により生育が早くなり開花も早くなった。 ② 冬の寒さが弱くなって植物ホルモンのバランスが変化し、草丈が短くなった。 極端な言い方をすれば冬がなくなり、次第に春が長くなってきている傾向にあるのです。 このままではチューリップはいずれ咲かなくなる危険があります。 「咲かない!咲かない!チューリップの花が~」では困るのです。
3 「冬咲きチューリップ」 そこで考えたのが人工的に冬の寒さを経験させた球根で栽培し、暖かくなってきている冬に咲かせる「冬咲きチューリップ」です。 全国の植物園やテーマパークで冷蔵処理をしたチューリップの露地栽培が取組まれています。 九州では2月には開花し始め、草丈も充分に長い昔本来のチューリップが咲いています。 今地球温暖化が問題になってきています。 環境庁の調査で温暖化した気候で日本列島の植生帯分布が大きく変化するとされています。 「冬咲きチューリップ」は雪が降る北陸や東北・北海道では現在のところ栽培できませんが、いずれ近い将来には2月に咲かせることが出来るようになるのでしょうか。
4 ガーデニングで環境を知ろう! 冬にチューリップが咲けば楽しいと思います。 しかし、年中色んな野菜を食べることに慣れたように、冬咲きチューリップも当たり前のようになる時代が来るかもしれません しかしそんな時代にはなって欲しくないと思います。 この冬咲きチューリップの活用として、「環境教育のチューリップ栽培」なんていうのはどうでしょうか。 子供にも分かりやすく花が咲く仕組みや季節の変化が大切なことをテキスト化し地球環境を勉強できる。 そして子供たちが大きくなった頃には冬が冬らしく寒くなり、昔のように4月にチューリップが咲くようになればもっと楽しいのではないでしょうか。 |